911 GT3カップの購入申し込みを開始
ポルシェジャパン株式会社(本社:東京都港区 代表取締役社長:ミヒャエル・キルシュ)は、ポルシェカレラカップジャパン(PCCJ)の競技車両である「911 GT3カップ」(タイプ992)の購入申し込みを本日より開始します。世界のベストセラーレーシングカーの最新世代であるタイプ992の911 GT3カップは現行型911である992世代をベースにした最初のレーシングカーで、ワイドなターボ仕様のボディを備えたワンメイクカップ用マシンです。先代を25PS上回る375kW(510PS)の最高出力を発生しながらも合成燃料の使用が可能なため、レース条件下でのCO2排出量を大幅に削減することができます。ラップタイムは、サーキットのレイアウトに応じて1%まで短縮されます。
ポルシェは1990年に、ポルシェカレラカップドイツのデビューシーズンに向けて最初の911カップカーを発表しました。964世代をベースにしたモデルの最高出力は260PSでした。1993年からは、F1サポートプログラムの一環として新設されたポルシェスーパーカップも開始しました。この大きな功を収めたレーシングカーは現在までに 4,251 台が生産され、タイプ992で第7世代となります。
ポルシェモータースポーツのセールスディレクターを務めるミハエル・ドライザーは「新型911 GT3カップは、911をベースとした911カップカーの歴史に新しい章を開きます。私達の目標は、今後の数年間で累計生産台数5,000台を超え、代々のモデルと同様にプロのモータースポーツへの道を歩む新世代の才能あるレーシングドライバーを支援し、世界中のカスタマーモータースポーツの顔となることにあります」と述べています。
新型911 GT3カップは2018年にデビューしたタイプ992の911カレラをベースに、2019年初めに具体的な開発が始まりました。プロジェクトマネージャーのヤン・フェルトマンが率いるチームの主な開発目標は、時間とメンテナンスの費用を抑えながらパフォーマンスを高めて、さらにアグレッシブなデザイン、より素直なハンドリング、優れた耐久性を実現することにありました。新しいレーシングカーの多くの側面にその結果が反映されており、これまでと同じくシュトゥットガルトのツッフェンハウゼン工場にて市販の911と同じラインで生産されています。
「新型911 GT3カップをプロフェッショナルレーシングカーとしてさらに位置づけると同時に、チームが使用する際の費用対効果を高めたいと考えました。私達は、目を見張るような外観、サスペンションの改良、および電装品のインテリジェントなソリューションによって、これを実現することに成功しました。911 GT3カップのハンドリングは、いっそう精確で楽しいものになっています。性能の改善とコックピットの最適化によって、ポルシェがこれまでに製造した中で最高のカップカーになりました」とフェルトマンは説明します。
911 GT3カップの最も魅力的な特徴のひとつが、最適化されたエアロダイナミクスと、一見して印象的な力感あふれる外観です。カップカーに初めて採用されたワイドなターボ仕様軽量ボディもこれに寄与しています。全幅は先代のリア幅を28mm上回る1,902mmで、ホイールの前に追加された冷却空気のインレットが特徴です。さらに911 GT3カップはフロントアクスルも大幅にワイドになり、フレアフェンダーの追加によってフロントアクスルの寸法が1,920mmになっています。これにより、フロントに12インチ幅のリムとリアに13インチの調和のとれたホイールとタイヤの組み合わせが可能になりました。これはGTレース特有で、レーシングカーのハンドリングとドライバビリティーに好影響を与えます。
同時に、第7世代のカップカーは空力ダウンフォースを著しく増加させています。これは、大型リアウイングを備えたリアスポイラーとレースに適合されたフロントエプロン(フロントリップスポイラーと戦略的に配置されたセパレーションエッジ)の組み合わせによるものです。「スワンネック」マウントを備え11段階の調整が可能なリアウイングは、連続したウイング下のエアフローを実現します。この空力効率の改善は、特に高速コーナーでの安定したハンドリングも提供します。
991.2世代カップカーのボディは、70%のスチールと30%のアルミニウムで構成されていました。新型車ではこの比率が入れ替わっています。車両重量の約35kgの増加(乾燥重量1,260kg)は、スチール製セーフティーセルへのストラットの追加などによるものです。取り外し可能なルーフのエスケープハッチは、最新のFIA基準に準拠しています。GT3カップの全てのウインドウは軽量ポリカーボネート製で、傷のつきにくいハードコートグレージングが施されています。ドア、エンジンフード、リアウイングはカーボンファイバー強化プラスチック製です。一方で、独特のエアアウトレットダクトとセンターエアインテークを備えたフロントフードは、インテリジェントな材料の利用の好例です。911カレラと同様にアルミニウム製で、アクシデントの際の修理費用を削減します。
デザイナーは、特にドライバーの人間工学を考慮しました。新しいレーシングシートは、角度に加えて2段階の高さ調節が可能です。調整可能なステアリングコラムとの組み合わせで、全てのドライバーの身体に理想的にフィットします。さまざまな厚さのパッドにより、シートを各ドライバーのニーズに合わせることができます。再設計されたオープントップのカーボンファイバー製モータースポーツマルチファンクションステアリングホイールは、911 GT3 Rから採用されています。ドライバーからのフィードバックを反映して、イルミネーテッドスイッチが再配置されました。右側に10個の大型スイッチを備えたラバースイッチパネル(RSP)は、ポルシェ919ハイブリッドのコントロールエレメントを連想させます。レースの暑さの中でも使いやすいこれらのスイッチには、照明や換気、ドライからウェットへのタイヤの設定変更など、中心的機能が割り当てられています。ブレーキバランスの調整は、細部の巧みな強化の例です。これによって、ブレーキ圧の増減の必要に応じて、RSPの右外側にあるロータリースイッチを使用して、進行方向に対して直感的に制御することができます。
中央に配置された10.3インチカラーモニターが一新されました。このモニターはレース中、ドライバーにとって重要なデータと情報の表示を優先します。エンジン回転数の横には、水温と油温、使用中のギア、エラーメッセージ、あるいは雨天時の「ウェット」などの重要なベースライン設定情報が表示されます。ドライバーとレースエンジニアが同じ情報を見ることができるように、データの読み出し後のディスプレイとコンピューターモニターの両方のデザインが一致しています。これは、各セッション後の分析に役立ちます。
電子機器は、エラー分析を容易にし、問題解決に具体的に役立つように、使いやすいように設計されています。約700の診断オプションを利用することができます。専用ソフトウェアは、全ての情報を理解しやすく明確に要約します。ABSやトラクションコントロールなどの車両機能もシステムに保存されています。
電子部品の配置に、新型911 GT3カップの洗練された繊細なソリューションのもうひとつの例を見ることができます。モータースポーツコントロールユニットとデータロガーが、助手席足元から右側リアコンパートメントに移されています。その結果、同乗走行が必要な場合などに助手席を設置することができます。
911 GT3カップのサスペンションは、最高のレーシングテクノロジーを提供します。リアはプロダクションモデルと基本的に変更されていませんが、フロントは、ポルシェの現在のトップレーシングモデルである911 RSRと同様に、ダブルウィッシュボーンとユニボールベアリングによって制御されます。これにより、ダンパーは横方向の力を受けずに軸方向の力のみを受けるようになり、さらに精確なターンインが実現されてフロントアクスルの感触が向上します。ショックアブソーバーも、919ハイブリッドと911 RSRから最先端のバルブテクノロジーを受け継いでいます。初めて911 GT3カップに完全電気機械式パワーステアリングが導入されており、油圧ポンプと関連の油圧ラインが不要になりました。
新型911 GT3カップも初代カップカーと変わらず自然吸気レーシングエンジンを搭載しています。ドライサンプ潤滑方式を備えた高回転ユニットの水冷式4リッター水平対向6気筒エンジンは、先代の7,500rpmより高い8,400rpmで最高出力の375kW(510PS)を発揮します。レブリミットには8,750rpmで達し、6,150rpmで470N・mの最大トルクを発生します。2つのレゾナンスフラップを備えたシングルスロットルバタフライシステムは、さらにダイレクトなレスポンスを実現し、触媒コンバーターレーシングエグゾーストシステムとの組み合わせで、荘厳なサウンドを奏でます。レーシングシリーズ、レギュレーション、サーキットに応じて、3種類のエグゾーストシステムから選択することができます。Bosch製MS 6.6電子制御エンジマネジメントシステムも装備されています。
先代と同様に、6気筒エンジンは100時間の走行後にメンテナンスチェックを行うだけで済みます。エンジンは、シングルマスフライホイールと3プレート焼結金属レーシングクラッチを介して、72kgの6速ドッグクラッチ式シーケンシャルギアボックスに接続されています。ステアリングホイールのパドルシフトを介してギアシフトが行われ、60時間のレース後にギアボックスの「マイナー点検」が必要になります。これは、ポルシェ・モービル1スーパーカップの約2年に相当します。120時間のレース後に大規模なオーバーホールが予定されています。シフトバレルアクチュエーターは、従来の空気圧ユニットに代わって、電動サーボモーターによって作動します。迅速なギアシフト、ライブ診断のオプション、およびギアシフトエラー時などの損傷リスクの低減がそのメリットです。
なお、ポルシェジャパンがデリバリーする911 GT3 Cup車両は、PCCJ 2022年シーズンへのフル参戦が義務付けられます。購入希望する場合は、6月23日(水)までにポルシェカレラカップジャパン事務局へお問い合わせの上、所定の車両購入申込書にてお申し込みください。販売台数に限りがありますので、ご希望に沿えない場合があります。
購入申し込みおよび車両に関するお問合せ先:
ポルシェカレラカップジャパン事務局(コックス株式会社内)担当:森
TEL:0465-80-3808
■ 新型911GT3希望小売価格 2021年6月9日付
車種 | トランスミッション | ハンドル | 希望小売価格(消費税込) |
---|---|---|---|
911 GT3カップ | 6 速シーケンシャルドグミッション | 左 | ¥34,650,000 |
<お客様からのお問い合わせ先>
ポルシェ コンタクト 0120-846-911 / HP https://www.porsche.com/japan/
文章
日本語 (Porsche Japan)
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